てるてる坊主

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母は偉大です

小説としてはどうか…
とある本で紹介されていたので買ってみたのですが…。
正直がっかりです。
まず物語にあるべきワクワク感が微塵も無い。
思わず引き込まれる、時間を忘れて貪る様に読む、という様な夢中になって読めるような話の構成ではありませんし、また人物の描写でも特に魅力を感じるような点はありませんでした。
(経理や監査に関心の無い人でも飯塚氏の偉業が良く理解できるような作りにするのが物語ではないでしょうか)ただただ記録と事実にそれらしい台詞をつけただけ…そんな印象です。
ノンフィクションの経済小説はそんなものだ、と言ってしまえばそれまでですが…。
興味深い題材なだけに非常に残念です。

愚行?
本については、前半のいかにも実際の現場を見てきたかのような描写に高杉良の真価を見た気がしますが、後半は裁判記録の引用等が多く少し読みづらい。
なお、本に関係ないが、飯塚毅氏が長男の真玄氏にTKCの社長を継がせたことは愚行だったのだろうか?ちょっと調べてみたが、TKCの東証上場は社長が真玄氏に交代以後のようだし、真玄氏の社長就任後TKCは増収増益を続けています。
さらに、最近発売された文庫本に書き足されたエピローグを読んでみると、現社長、副社長は、自己保有する300万株のTKC株式を顧客に無償贈与するとのこと。
ご子息にも、飯塚毅氏の遺伝子は確実に引き継がれているように思います。

忍び耐えることの大切さ、信念を曲げない大切さ
TKC創設者の飯塚毅氏の評伝です。
禅の教えとは、宗教とは、こんなに強いものか、という印象を受けました。
飯塚毅という稀代の税理士を作ったのは、母と禅との出会いが不可欠だったのでしょう。
『人間死ぬとき「お母さーん」と言って死ぬ奴はいるが、「お父さーん」と言って死ぬ奴はいない』と、松方弘樹が言っていましたが、そのとおりですね。
母は偉大です。
しかし、この飯塚毅をもってしても、息子にTKCを譲るという愚行をしてしまいます。
いかに客観的にリーダーの資質を見分けることが難しいかを物語る典型的な戒めの本として読むのも一考かと思います。
TKCよ永遠なれ!不撓不屈高杉 良
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by kateiryo | 2011-08-03 14:53 | 読書

視点がうまくかみ合っている

小説「日本経済新聞」
リクルート事件、証券会社による損失補てん、イトマン事件、日本経済新聞社内の内部告発と経営陣の混乱を題材に、日経の記者を主人公にした小説。
小説とはいっても実話に基づいており、誰でも知っている時代を飾った事件と個人の取材に基づいたミクロの視点がうまくかみ合っている。
会話で事実を肉付けする小説のプロットは、ほかの著作に共通するものであり、高杉氏らしい。
経済事件の裏話、スクープをめぐる駆け引きや寿命が短いとされる経済新聞記者の厳しい仕事の内容をかいまみることができる。

日本唯一の経済紙の驕り体質を暴く
日本経済新聞と思われる新聞社の記者を主人公において、リクルート事件やイトマン事件を中心に、政界、財界、言論界(マスコミ)のスキャンダルやドロドロした実態を描く経済小説の上巻。
著者の高杉氏が名誉毀損で訴えられるだけあって、日経とその体質をかなり批判的な視点で書いています。
本書でも触れているとおり、日経は日本唯一の経済専門紙で、経済分野に関しては競合のない状態。
私も社会人になりたてのころは盲目的にその記事と論説を信用していましたが、世の中を知るにつれてその見方も変わり、最近は(特に若い記者に多いのでしょうが)もっと勉強して欲しいと思う記事も多く目に付くようになりました。
そういう点には不満をもっていたので、日経の企業体質が垣間見えて興味深く楽しく読めました。
実名は使っていませんが、日経の社員を除くほとんどの政治家、財界人はモデルが誰かすぐわかります。
それを本名に置き換えて読むとかなりリアルなドキュメントと思えるのですが、当然フィクションも入っている訳で…。
どこまでが事実でどこからがフィクションか気にしながら読むのも面白いかもしれません。
ちなみに、「私の履歴書」に関する項は、「履歴書」の執筆実態(聞き書きやゴーストライターの存在)や執筆を拒否した経営者像などが描かれていて楽しめました。
乱気流(上) 小説・巨大経済新聞 (講談社文庫)高杉 良
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by kateiryo | 2011-08-02 19:34 | 読書

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