てるてる坊主

視点がうまくかみ合っている

小説「日本経済新聞」
リクルート事件、証券会社による損失補てん、イトマン事件、日本経済新聞社内の内部告発と経営陣の混乱を題材に、日経の記者を主人公にした小説。
小説とはいっても実話に基づいており、誰でも知っている時代を飾った事件と個人の取材に基づいたミクロの視点がうまくかみ合っている。
会話で事実を肉付けする小説のプロットは、ほかの著作に共通するものであり、高杉氏らしい。
経済事件の裏話、スクープをめぐる駆け引きや寿命が短いとされる経済新聞記者の厳しい仕事の内容をかいまみることができる。

日本唯一の経済紙の驕り体質を暴く
日本経済新聞と思われる新聞社の記者を主人公において、リクルート事件やイトマン事件を中心に、政界、財界、言論界(マスコミ)のスキャンダルやドロドロした実態を描く経済小説の上巻。
著者の高杉氏が名誉毀損で訴えられるだけあって、日経とその体質をかなり批判的な視点で書いています。
本書でも触れているとおり、日経は日本唯一の経済専門紙で、経済分野に関しては競合のない状態。
私も社会人になりたてのころは盲目的にその記事と論説を信用していましたが、世の中を知るにつれてその見方も変わり、最近は(特に若い記者に多いのでしょうが)もっと勉強して欲しいと思う記事も多く目に付くようになりました。
そういう点には不満をもっていたので、日経の企業体質が垣間見えて興味深く楽しく読めました。
実名は使っていませんが、日経の社員を除くほとんどの政治家、財界人はモデルが誰かすぐわかります。
それを本名に置き換えて読むとかなりリアルなドキュメントと思えるのですが、当然フィクションも入っている訳で…。
どこまでが事実でどこからがフィクションか気にしながら読むのも面白いかもしれません。
ちなみに、「私の履歴書」に関する項は、「履歴書」の執筆実態(聞き書きやゴーストライターの存在)や執筆を拒否した経営者像などが描かれていて楽しめました。
乱気流(上) 小説・巨大経済新聞 (講談社文庫)高杉 良
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by kateiryo | 2011-08-02 19:34 | 読書

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